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しらがこぞう

白髪小僧

杉山 萠円

「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页

青空文庫

「まあ、お前だったのかい、今呼んだのは。まあ、何という利口な鳥でしょうねえ。最早妾の名前を覚えたの。大方お父様かお母様の真似でも為ているのでしょう。本当にお前は感心だわねえ」

と云いながら、籠の傍に近寄った。けれども鸚鵡は籠の真中の撞木に止まりながら、矢張り姫の名を呼び続けた――

「美留女姫、美留女姫、美留女姫」

これを聞くと姫は益々笑いながら――

「まあ、可笑しい鸚鵡だ事。わかったよ、わかったよ、妾はここに来ているではないの。そうして妾に何か用でもあるの」

と尋ねた。すると不思議なことには赤鸚鵡が忽ち姫の前の金網へ飛び付いて、姫の顔を真赤な眼で見つめながら――

「美留女姫、美留女姫、用がある。話がある、面白い話しがある」

と呼んだ。

美留女姫はこれを聞くと、真青になって驚いた。真逆こんな鳥が、人間と同じように、しかも自分に話しかけようとは夢にも思わなかったのだから、怪しんだのも無理はない。余りの事に呆れて口も利けなくなって、茫然と鸚鵡を見つめていると、赤鸚鵡は構わずに叫び続けた――

「怪しむな、驚くな、美留女姫、美留女姫。

お前の願いは今叶った。

新規の話しを聞きたいという。