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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
包まって寝かされております。そうして頭の上に灯った絹張りの雪洞から出る蒼白い光りで見ると、自分の左右には、御目見得の時に居た四人の女が宮女の姿をして、自分の介抱をしながら寝台の縁によりかかって、四人共いぎたなく睡っている様子です。
濃紅姫はまだ夢を見ている気で、又眼を閉じてスヤスヤと眠りました。するとこの時に寝台の蔭から一匹の蛇が宝石の鱗を光らせながらぬらぬらと這い上りました。そうしてスヤスヤと眠りに落ちている姫の懐に這い込んで、玉のようにふくらんだ乳房の下を静かに吸い初めました。そうして間もなく腹一パイに血を吸いますと、口からポタポタと吐き出しましたが、その血は皆燃え立つような紅玉になって、サラサラと濃紅姫の胸から寝床や床の上に転がり落ちました。こうして吸っては吐いて、何度も繰り返す内に、濃紅姫の身体は、まるで宝石に埋まったようになってしまいました。
この時濃紅姫はスヤスヤと眠りながら不思議な夢を見ておりました。
その夢はいつか知らず濃紅姫が睡っている時に、どこか遠い遠い処で歌を謳う声が聞こえて来ました。その声は如何にも清く美しくて、自分の妹の美紅姫の声によく似ておりましたから、濃紅姫は不思議に思いまして、どこで謳っているのであろうと、耳を聳てて聞いておりますと、その声はだんだん近くなってつい直ぐ隣り