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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
並大抵の者がこのような処でこんな者を見たならば、身体中の血が凍えて終うかも知れないのであるが、そこは藍丸王は平気な者で、却て珍しそうにニコニコ笑いながらその前へ近寄って、火の上に手を翳した。
すると今まで顔中皺だらけで、どこに眼があるか口があるか解からなかったお爺さんは、藍丸王が側に来て踞んだのを見るや否や、皺の間から大きな皿のような眼と、真赤な口をパッと開いてゲラゲラと笑ったと思うと、それを相図に他の三人は一度に立ち上って、焚火と藍丸王の周囲をグルグルまわりながら、奇妙な舞踊を始めた。先ず瘠せ女が白紙の書物を開いて、奇妙な節を付けて歌を唄いながら踊り初めると、あとから赤ん坊が糸の無い月琴をバタンバタンと掌で叩きながら従いて行く。それにつれてあとの二人は、手に持った道具を振り廻しながら、まるで蟋蟀か海老のように、調子を揃えてはねまわって行った。その歌はこうであった。
「占めた。占めた。旨い。旨い。
王様になる時が来た。
この国取って我儘云うて
楽しみをする時が来た」
俺達は石神様の
大切な四人の家来。
眼と口と。鼻と耳と」
藍丸の国のはじめに
御主人の石神様が