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しらがこぞう

白髪小僧

杉山 萠円

「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页

青空文庫

「これ、青眼。貴様はなぜ返事を仕ないのだ。なぜその証拠が云われぬのだ。さ、その証拠を云え。その仔細を云え。なぜその三ツの者が悪魔なのだ。なぜこの鏡と鸚鵡が悪魔の片われなのだ。貴様は今まで何一ツとして俺に隠した事はないではないか。云え。云え。その三ツの掟の出来た訳を云え」

と王は如何にも言葉鋭く詰め寄りました。けれども青眼先生は王の勢が烈しくなればなる程縮み上って、ふるえ方が烈しくなって、今は立っている事が出来ず、床の上にペタリと座り込んでしまいました。王はじっとその有様を見ておりましたが、なおも厳そかな口調で責めました――

「青眼。これ、青眼。貴様はなぜそのように恐れるのだ。なぜそのように顫えるのだ。なぜその仔細を俺に隠すのだ。一体貴様の為る事は俺にはちっとも訳が解からぬぞ。この間のように見もせぬ夢を見たろう等と尋ねたり、又はこのような重宝なものを俺から奪い取って、罪も無い鸚鵡を殺そうとしたり、又は大勢の者が生命を棄てて拾い上げてくれたこの貴い鏡を打ち壊そうとする。俺にとってはこれ位有り難い貴い重宝な宝物は無いのだぞ。それをなぜ貴様はそのように悪むのだ。