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しんじゅとうのひみつ

真珠塔の秘密

甲賀 三郎

「新趣味」1923(大正12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,661 字 · 16 页

青空文庫

そこで二人は展覧会の事務所に届出いで、それから警視庁の方へ行ったのであるが、何分秘密を要する事で、遂に橋本に依頼する事になったのである。

「陳列箱の鍵は平生誰が持って居るのですか」友は始めて口を開いた。

「二つありまして、一つは守衛一つは私が持って居ります」佐瀬は答えた。

「塔の重量はどの位ですか」

「三貫五百目です。大理石の台がありますから」

「成程不思議な事件だ。宜しい御引受けしましょう。先ず現場と守衛から調べねばなりませんね」

商会主が喜んで佐瀬と共に辞去すると、やがて橋本は警視庁へ電話を掛けた。

「モシモシ、ハア高田君? ええ例の件でね一寸展覧会の夜間入場の便宜を計って貰いたい。ええ、マッカレーは昨日帰国した。ふん確かな人間? どうも真珠塔は買わないらしいって。ホテルの給仕が日本人の持って帰るのを見た。ああそうですか。花野は偽名らしいって。そうでしょうなあ。併し何か花野氏と縁故のあるものらしい。ふん、そうそう何でも大きな外国人らしい話も達者な奴らしい。いやどうも有難う。ええすぐ展覧会の方へ行きます。さようなら」私の方を向いて、「どうだ君。一緒に現場へ来ないかね」