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しんせつ いしかわごえもん『こうへん』にきたいす
真説 石川五右衛門『後編』に期待す
「新大阪 第一〇三〇号」1951(昭和26)年5月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 971 字 · 2 页
こういう文章を、檀君どこで会得したのか知らないが、鋭い刃物のようにひらめき、それ自体が詩でもあるが、それが作中人物に直結して、ついに物語をなして行くダイナミックな構成が美しい。
後編というのがタノシミだね。いよいよ、秀吉現れ、ここにシノギをけずることになるのだそうだが、檀君がどういう「真説」を創りだすか、たまらない興味がある。
すでにこの小説の躍動的な面白さ美しさは、天を飛び、史実の領域を遠く下界へ捨て去って、直線を描いて三昧境を走っている。前編では五右衛門よりも怪しげな曲者がタクサン現れ、美女も現れて、情緒テンメンたるものがあり、楼門の上で、ネロが孔子になって道を喝破しそうなオモムキが現れてきたね。
これに対抗する秀吉は、タダじゃアすまないね。どんな秀吉が現れるだろう。どんな美人が現れるのだろう。淀君なんかも現れますかね。
前編の五右衛門はもっぱら山野を走り大海を荒れまわったが、これより都会人との人間関係にどういう綾の葛藤を描き、風雲を起すか。檀君すでに勝算歴々、自信マンマンの如くであるが、益々監視者と共に酔い共に泣き、快作の完成をいのりますよ。