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めがね
眼鏡
小川 未明
「お話の木」1937(昭和12)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,487 字 · 16 页
だって、海にあるんですもの。」
海ときいて、正吉は、だまって、考え込んでいました。
「正ちゃん、なにしてんだい。」
そこへ、義雄くんがやってきました。義雄は、小さな空きかんを握っていました。
「みみずを取りにきたの?」と、正吉が、きくと、彼は、頭が横に振って、
「君、がまがえるを見ない。」といいました。
「ひきがえるなら、私の家のお庭にいてよ。」と、かず子さんが、いいました。
「いまいる?」
「雨が降ると、出てくるわ。」
「なあんだ、そんなんじゃ、しかたがないよ。」
「がまがえる、どうするんだい。」と、正吉がききました。しかし、義雄は、きかぬふりをして、
「正ちゃん、僕、よく釣れるところをきいたから、こんどの日曜にゆかない。」と、話をそらしました。
「義雄さん、ほんとう、つれていってくれる?」
正吉は、目をまるくして、義雄を見ました。義雄は、うなずきました。
「どっかに、がまはいないかなあ。かたつむりでもいいんだけど。」
釣りにつれていってくれるといったので、正吉は、もう有頂天でした。
「かたつむりでもいいの、かたつむりなら、僕、さがしてあげるよ。」
正吉は、くさむらの中を潜って、かけずりました。