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たんかのしけい

短歌の詩形

寺田 寅彦

「勁草」1933(昭和8)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,831 字 · 6 页

青空文庫

アラビアの詩にも十五種ほどもミーターの種類があるらしいが、その中でも十五、十五の連続あるいは八、八、八、八の連続などは乱暴に読めば短歌風に読まれなくはない。前者の例は

(カル)(ビー)(ツ)(ハド)(ヂ)(ツ)(ビー)(ビ)(アン)(ナ)(カ)(ムト)(リ)(フイ)。

(ルー)(ヒー)(フイ)(ダー)(カ)(ア)(ラフ)(タ)(アム)(ラム)(タフ)(リ)(フイ)。

ギリシアのエピグラムの二行詩は形の上では何と云っても一番よく和歌に似ている。これも例えば長母音を勝手に二音に数えたり、重母音を自己流に分けたり合したりすると短歌と同じ口調に読めるものが多数にある。この場合は第二句の方が短いからなおさら都合がよいのである。例えば

(ヒツ)(ポン)(ヒユ)(ポ)(スコ)(メ)(ノス)(モイ)(オ)(リユム)(ピ)(オス)(エ)(ガ)(ゲン)(ウ)(ラン)。

(ヘス)(オ)(ソ)(ゴ)(ドラ)(ネ)(オーン)(ヒツ)(ポス)(ア)(ペ)(クレ)(マ)(ト)。

などは十二、五、七、七と切って読んでもさしつかえはなさそうである。

「オリュンポスが馬を一匹くれるはずであったが、馬の代りに尻尾を一本くれた。