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たんぺんしょうせつはなぜふしんか

短篇小説は何故不振か

佐藤 春夫

文学俗論のうち

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,960 字 · 4 页

青空文庫

不振というのか、はやらないというのだか、とにかくそういう事実はたしかである。

雑誌を小説の発表機関とするわが国では短篇小説が便利なジャンルでもあり、読者の気風にも合ったのか、モウパッサン、チエホフ、ドオデエ、さてはポオなどと類は変わっても同じく短篇の作家が喜ばれるのが明治中期以来の現象であったのが、いつのころからか、ではないはっきりと終戦後、中間小説などに押されて短篇小説が今日のようにさびれたとなると何が理由だか少しは考えてみたくもなる。というのも考えてみれば判りそうな見当がつくからである。

発表機関たる雑誌では小説特集とやらが戦後の流行で、それがはやりっ子を一通りずらりと並べるのが編集方法の優なるものとなると、短いのを沢山集めるかと思いのほか、人数は半分でもいく分長さのある方が読者に喜ばれる傾向と見えて、百枚とか百二十枚とか枚数を売り物にしたのが出たり、連載もあり特に中間小説と称するのが小説の新潮であったらしい。

中間小説の名称は何によるかよく知らない。大衆小説と芸術小説との中間の謂か、それとも短篇と長篇との中間の長さの謂か。さては事実と文学との中間の謂か。