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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

二、華族の平民化

宮内省は六年目に宗秩寮審議会を開かなければならなくなった。竹内良一が岡田嘉子と出奔して華族の礼遇を停止されて以来六年目なのだが、今度の審議の内容はその量から云っても質から云っても、ずっと進歩している吉井勇伯夫人徳子(『中央公論』一月号に於ける直木三十五の紹介によると通称「おどん」)吉井勇伯自身、引いて柳原義光伯、近藤滋弥男令弟夫妻、久我通保男嗣子等々、舞台に登る役者の数も大分多いが「華族の体面」のけがし方も亦「おどん」氏の如き仲々尖端的で平民大衆共には一寸真似の出来ないものさえあるようだ。

だがよく考えて見ると、之等下情に通じた貴族達も別に大したことをしたのではなくて精々が、ブルジョア有閑分子や又は没落ブルジョアの定石を踏んだまでで、ただ華族の位置に止まりながら敢えてそれをやったということが変っているだけなのだから、宗秩寮の審議の結果、華族の礼遇を停止されたり、又は隠居させたりすれば話しは片づくのであまりに平民の(?)下情に通じ過ぎた者は、平民に払い下げるのが、何より適宜な処置だということは云うまでもない。

ただ心外なのは、こうやってどしどし「不良華族」