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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
委員会の開催はすでに九回以上にも及んでいるが、まだ政府に対する質疑を打ち切るに到っておらず、法律ばかり厳重にしても無効だとか、軍部大臣の出席を求めるの、軍人の政治干与に就いて海軍側の意向をただせのとダダを捏ねている(陸軍は、林陸相の言明を信じるなら、今では海軍よりももっと左だから問題はないが)。
こんな立派な而も時節柄「重大性」を有った改正案になぜそう文句をつけるのかというと、彼等委員達、即ち代議士達が「右翼」に就いてはツクヅク懲り懲りしたからで、右翼取締りの条項をこの際何とかして治安維持法に※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)入させようというのである。
処が政府側の見解では、一体右翼団体は共産党のような国体否定の思想体系を有っているのではなく、又その組織も大衆的全国的国際的ではないのだから、団体そのものとしては取り締る必要はないし、又法文起草の技術から云っても右翼団体取締りの項目を※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)入することは困難だというのである。ファッショ的活動に対しては、五・一五事件の場合のように、殺人、放火、爆発物取締規定違反、暴力行為取締法違反、出版法違反、等の罪名でよく、もしそれでも間に合わない場合には内乱罪で取り締れば