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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
それに元帥の率いたわが軍艦はイギリスで出来たりアルゼンチンの手に渡るのを譲り受けたりしたものだった。そして元帥の武功は全く国際的に響き亘ったものだったのだ。
多分元帥の大和魂を除いては、その語学や戦略戦術に到るまで、国際的なものだったのである。
そこでアメリカなどもスタンドレー将軍が弔辞を呈するということが甚だ自然だったわけである。
併しアメリカでは東郷元帥のこの国際性に対する認識が充分ではなかったようである。アメリカは東郷元帥の国際的な葬儀を弔するのに、国際的な哀悼の曲を以てすべきであった。然るに何事ぞ、わずかに「ニッポン」音楽を以て足れりと考えるとは。アメリカは一体日本に対する正当な認識を欠いている。単に日本の「特殊事情」を、理解し得ないばかりでなく、日本の国際性をさえ理解していない。
「メリケン」人は国際的でないということがニッポン的なことであり、ニッポン的でないことが国際的なことかと思っている。元帥の英霊に対しては失礼かも知れないが、フジヤーマやゲイシャやサムライやハラキーリは、他の国にはないからニッポン的だと彼等は思っているのである。
音楽に就いても彼等はこの調子なので、音楽にも「西洋音楽」