轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
と云うのは、失業問題の代りに「農村問題」というものが出て来たので、社会の輿論は農村問題で以て失業問題を蔽って了うことと決めたからである。
失業しても貧乏さえしなければ問題でないのだから、失業問題ということは大衆の一般的な貧乏問題ということだという点を特に断っておかなくてはならないが、同様に農村問題も実は農村貧乏問題の筈である。従って失業問題の代りに農村問題が出て来たことは、一般的な貧乏問題が特殊な農村の貧乏問題にまで具体化されたものだと思われるかも知れないが、そう正直にばかり理解してはいけないのである。
政府や資本家地主や新聞が云っていた処の失業問題は決してただの失業問題ではなかった。無産者が貧乏するのは同語反覆的に当然なことなのだから夫は問題にする必要はない、問題は資本家地主や所謂中産階級という社会の最も健全な分子が貧乏することである、否、社会の大多数の資本家地主やましてそれに及ばぬものが如何に貧乏しようとも、少数の信頼するに足る分子が夫によって増々繁栄を来しさえするならば、国家はビクともする必要は事実は何処にもないのだから、問題はこうした社会の健全分子の貧乏ではなくて、実は彼等の貧乏意識だけが困りものなのである。