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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
リベラリストも単なるリベラリストとしては済まなくなって来たのではないか。
個々のリベラリストも一旦結束すればもはや単なるリベラリストの集団ではない。滝川教授が赤いならば、かれを擁護して立った教授会及び法学部全体は少くとも同等以上に赤い筈だ。だから文部大臣は文部大臣の権威を以て遂に四十名の赤化教授乃至教授候補を××したわけである。天下のリベラリスト達はこの点に就いて、わが文部大臣に深く感謝の意を表しているのである。ただこの感謝の意志が、声明書や抗議書や文相辞任勧告というような不遜な形態を取って現われているに外ならない。文相はこれ等の意志表示が、感謝以外の他意のあるものでないことを深く諒とすべきである。
(一九三三・七)
転向万歳
一、転向万歳!
六月十日の新聞では、一斉に、佐野、鍋山の「両巨頭」の転向が報じられた。佐野巨頭の動揺は去年の十月頃からだそうだし、鍋山巨頭の動揺参加は今年の一月頃だと、宮城検事正は語っているから、多分当局は永らく希望にワクワクしながら、固唾を飲んでこの日を待っていたことだろうと思う。花々しく蓋が開けられた時、左翼の陣営にはどんなに痛快な大地震が揺れることだろうかと。