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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
同国の外交部は、話を逆に持って行ってソヴィエト軍が撤退しない限り国境委員会設置には同じ難いという意味を言明している。と角広田円滑外交に×××××××るのは、北鉄買収問題と云い、支那公使昇格問題と云い、満州国の興味であるようだが、之は何かに魅入られている結果だと思えば解釈がつく――処が又広田対ソ外交にとって不利なことは、日ソ漁業関係でソヴィエト側がいつも条約無視をやっているということなのである。最近では、カムチャツカ東海岸の某地方にソヴィエト政府国営の漁区が三つ設定されたという報道だが、漁区の設定は日ソ両国の会議によることになっていて、このソヴィエトの三漁区の設定は明らかに条約違反になる、という農林省の解釈なのである。同省は外務省と協議の上、ソヴィエト・ロシアに対して厳重に反省を求める意向だそうだ。だが漁業問題の解釈のためにだってすぐ日本の駆逐艦がやって来るのを見ても、不敬事件と同じで、矢張直接軍部に関係しなければ話しはおさまらないのだ。
さて以上見て来たようなトラブルスは、是が非でも膨脹しなければならぬ日本としては、或いはその膨脹を是が非でも合理化させねばならぬ日本としては、当然我慢しなければならぬ処のものである。