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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

(独り東京商大に限らぬ)自身の問題であって、杉村助教授の問題ではない。杉村助教授その人の問題としてなら、いくらでも途は開かれているので、氏がブルジョア・アカデミーの「学術」的なエクスタシーから、之を機会にして、正気に帰るということも、一つの手であるかも知れない。

二、官吏道

官吏の身分保障令が制定されてから、既成の上層官吏の異動が少なくなったのはいいが、それだけ高等官候補者の出世が困難になり、内にはスッカリ腐ったり上官の失脚を喜んだり、政党内閣の再来を希望したりするものさえ少くないという。官吏の総元締である大臣にしてからが、誰かが死んだりすると、その後釜をねらう者が多くて、その結果岡田首相は一時でも逓信大臣を兼摂しなければならなくなる程だ。上官の失脚を喜ぶ下ッ葉の若い官吏があるのも無理はない。

内務省の観察によると、高級官吏の若い候補者達のこの憂うべき傾向は、結局今の若い者に腹がないからで、腹を造らせるには、禅寺あたりで修養させるに限るというのである。そこで内務省では全国府県に配属してある見習属約百五十名を三班程に分けて、二週間位いずつ鶴見の総持寺にこもらせ、精神修養と時代の「認識」