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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

吏道の統制そのものが危殆に瀕するかも知れないのだ。すでに××××に於てこの現象は極めて著しい。文官官吏に於ても、外務省や司法省にこの悩みがなくもないそうだ。だから、内務省だって決して安心してはいられない。知事の卵の腹を造ることは必要だ。併しおとなしく不平を云わずに働く腹を造ることだけが必要なのだ。

処が民間に能率連合会なるものがある。この能率主義者の一団が、お役人の暑中の半ドンは、晩まで働いている民間の労働者に較べて、甚だ社会的に不当だという考えから、官公庁の夏季執務時間を民間の銀行、会社並みに改めることの可否に就いて、各方面に賛否の問い合わせを発したものである。同会の理事は云っている、「私達のは勿論能率向上という見地からですが……非常時局の折柄指導的立場にあるべき彼等の夏季半休は時代に逆行するものではないでしょうか。」

問い合わせの先は、特に官公庁を除外したのであるが、約四百通の問い合わせに対して最近までの回答、廃止すべしが二百六十通、従来通りでよしとするもの僅か五十通、という成績である。(尤もこの賛否には夫々の特別な理由が伏在しているのを忘れてはならないが。