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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
能率という観念の食わせ物である所以は之だ。
日本の官吏も今や遂にこの工学的な能率増進の対策にされて了った。
国家の権威を背景としていても、いくら威張っても、官吏は資本制社会機構での一勤労者で、被使用人であることを免れないということになった。こんな判り切ったことを併し、日本の官吏自身も日本の人民も、実は充分突きつめた形では、理解し得ない理由があるのである。名誉ある官吏道なるものがそこにあるからである。
三、警察明朗化
八月の上旬に溯るが、小原法相は検事の人権蹂躙問題が議会に於てまで問題にされたのを見て、検事事務調査会なるものに命じて、検察事務改善に関する答申をなさしめた。その答申によると、第一「職務を執るに当りては常に人権の重んずべきことを念い、その非違を匡正するは安寧秩序を維持するため已むを得ざるに出ずるものなることを忘るべからざること」、「被疑者其他関係人を取調べるに当りては、其言語動作を慎しみ、苟も取調べを受くる者をして、その名誉信用を毀損せられ侮蔑を受くるの感を抱かしむるが如きことなきよう常に慎しむこと」、又「未決拘留期間の短縮に努むること」