轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
――吾々が老後の博士に深く期待するのは、この啓蒙家としての博士の活動なのである。博士の個人的没落は、客観的に見れば決してただの没落ではないし、又元来博士は没落する程に本当に高揚していたのではなかったとすれば、個人的にさえ没落でないとも強弁出来る。まして之は「転向」などではないのだ。
例の博学な宮城検事正は処で、こう感想を洩している(東京日日七月七日付)、「そこでいつでもいうことだが共産党に対しては司直はあくまで峻厳な態度で臨むことが必要だ、これによってかれ等は転向の機会を掴み同志に対する口実が出来るのだ、尤もこの場合家族達からは出来るだけ本当の愛を注いでもらう必要がある、司直の弾圧と骨肉愛と、これを以てすれば共産運動の絶滅も敢て期し得ないことではない」。――これによると、河上博士という一人の左翼学生が弾圧と骨肉愛とで遂々「改悛」でもしたように見える。博士はおとなしく勉強して、大学でも卒業したら親爺の銀行か何かに勤めるもののようである。博士の存在をこんなに大急ぎで小さく見せるというこの確実な手腕は、一寸小憎くらしくはないだろうか。浅墓な世間はこれで博士をスッカリ軽蔑し、そうしてスッカリ安心するだろう。