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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
私は原案七項全部賛成である。まず第一項(建国精神の確立・古典の研究)其他及び第二項(近代思想の諸相の究明)は、国民精神文化研究所に大いにやらせれば宜しい。一体あの研究所の所員は暇で困っているのだから。但し古典の研究では「南淵書」の研究も忘れてはいけないだろう。第二項(教育制度改革・国史教育奨励・社会教育普及徹底)ではまず帝大、官立大学の法文経を民間に払い下げて官製インテリ失業者を少なくする、インテリ失業者が教育上最も面白くないので、それだけの数が普通の失業者ならばあまり問題は起きないわけである。国史は史学的に研究する代りに国学的にやるべきであり、社会教育は普及しただけでは危険だから「徹底」させなければならぬ。それから第四項の社会政策のためにはすでに協調会というものが出来ているし、第五項の人口問題解決=生活安定は、ルンペンを第一陣第二陣と満州に移民させればよいし、国民は無論政治に信頼を置いているから之を「深め」さえすればよい(第六項)。検閲を円満にするには出版関係者乃至著作家自身と連絡し協力する以上に理想的な方法は又とあるまいではないか(第七項)。