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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
云わば六大学リーグ戦は、早慶戦を合理化するために出来上ったようなもので、又早慶戦を中心に行われているようなものだ。こうなると六大学リーグ戦、実は早慶二大学リーグ戦だということになる。
早慶を除いた外のリーグ加盟大学は早慶のおつき合いに引き出される刺身のツマのようなものだが、それで早慶外のリーグ加盟大学が損をしているかというに決してそうではないらしい。帝大は学問の上では兎に角(無論学生の学問のことで教授の学問になると仲々問題が多いが)、カレッヂボーイシップ(?)の上では問題にならないが、それでも野球部はたしかにリーグ戦のおかげで経済的に恵まれている。他の法・明・立になると、問題は単に野球部の利益などではない。これ等の大学はリーグ戦に加わっているおかげで、大学自身として計り知ることの出来ない程の利益を得ている。ラヂオや新聞や雑誌は毎月毎月、わが大学の存在を宣伝して呉れる。わが大学のマネキン選手諸君を見物するために、数万の華客が、金を払って来て呉れる。デパートと同じで、物を買いに来るお客ばかりで儲かると思うと大きな間違いなので、人気というものの営業的価値をこの際理解しておかなければならぬのである。