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しゃちょうひしょ

社長秘書

佐々木 邦

「面白倶楽部」大日本雄辯會講談社、1926(大正15)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,738 字 · 14 页

青空文庫

仕方がないさ」

「新夫人の連れ子が二人で都合七人になります」

「大変だね」

「それに星野さんは兎に角、新夫人があの通り若いですから、屹度後が出来ますよ」

「出来るとも。二三人は請け合いだ」

「三人出来るとすると十人になります。それが一々種が違ったり畑が違ったりしているんですから、妙なものでしょうな?」

「一寸幼稚園の観があるね」

「然ういう混成的の家庭が果して巧く行くものか何うか私は疑問に思っていますから、実は星野さんに注意したんですよ。ところがもう見合をした後でした」

「大将直ぐ惚れてしまったんだろう」

「然うですよ。当って砕けろで、結果ばかり考えちゃいられないと申しました」

「斯ういう結婚については面白い話があるよ」

と社長は忽ち思い出した。

「はゝあ」

「子供の三人ある男鰥が子供の三人ある後家さんと結婚して又子供が三人出来たそうだ。都合九人さ。星野君のところより一人少い。或日のこと細君が血相を変えて良人のところへ飛んで来て、『あなた/\、大変ですよ』と言った。『何だい?』と訊くと、『あなたの子と私の子が共謀になって、私達の子を苛めていますよ。私は私の子を叱って参りましたから、あなたも行って、あなたの子を叱って下さい』