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そぼ
祖母
楠山 正雄
「赤い鳥」1921(大正10)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,258 字 · 7 页
「お止(よ)し、お止(よ)し。厭(いや)なら上げないから。」
おばあさんはこういって、いきなり玉子焼のお鍋をとり上げて、中身をそっくりお庭に投げ棄(す)ててしまいました。ちょうど通りかかったポチが見つけてみんな食べてしまいました。
なぜおばあさんがこんなにおこったのか、一雄にはわかりませんでした。おばあさんもなぜそんなに腹が立つのか、自分でもわかりませんでした。
二人はお互いにがっかりして、気の毒になって、このおばあさんと、孫とは、別々の心持でしくしく泣き出しました。
二人の半日楽しみにして待設(まちもう)けた晩御飯はめちゃめちゃになりました。
おばあさんはお酒の好きな人でした。せっかく孫の口を甘(うま)くしようと思って入れた幾滴かのお酒が、まるっきり予期しない反対の結果を生んだのでした。それを知って、一雄は余計悲しくなりました。
二 花ガルタ
一雄の家に奉公していた小僧で、器用に画(え)をかく子がありました。
或(ある)日この子は大きな鳥(とり)の子(こ)の紙をどこからか買って来て、綺麗(きれい)にボール紙に貼(は)りつけて、四十八に割った細い罫(けい)を縦横(たてよこ)に引いて、その一つ一つの目に、十二カ月の花や木の細かい画を上手(じょうず)にかきはじめました。