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しんけい
神経
織田 作之助
「文明 春季号」1946(昭和21)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,754 字 · 28 页
「花屋」も元の喫茶店をやるそうだが、やはり、ズルチンを使うのだろうかと、ついでに「花屋」のことも気になった。
しかし翌日、再び千日前へ行くと、人々はそんな新聞の記事なぞ無視して、甘いものにむらがっていた。「千日堂」のぜんざいも食べてみると後口は前と同じだった。しかし人々は平気で食べている。私はズルチンの危険を惧れる気持は殆んどなかった。
私たちはもうズルチンぐらい惧れないような神経になっていたのか。ズルチンが怖いような神経ではもう生きて行けない世の中になっているのか。
千日前へ行くたびに一度あの娘の地蔵へ詣ってやろうと思いながら、いつもうっかりと忘れてしまうのだった。