轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まつり
祭
寺田 寅彦
「ホトトギス 第三巻第二号」1899(明治32)年11月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,558 字 · 4 页
左右にはゆうを掛けた榊台一対。次の壇へ御洗米と塩とを純白な皿へ盛ったのが御焼物の鯛をはさんで正しく並べられる。一番大きな下の壇へは色々な供物の三宝が並べられる。先ず裏の畑の茄子冬瓜小豆人参里芋を始め、井戸脇の葡萄塀の上の棗、隣から貰うた梨。それから朝市の大きな西瓜、こいつはごろごろして台へ載りにくかったのをようやくのせると、神様へ尻を向けているのは不都合じゃと云い出してまた据え直す。こんな事でとうとう昼飯になった。食事がすんでそこらを片付けるうち風呂がわいたから父上から順々にいってからだを清める。風呂から出て奥の間へ行くと一同の着替えがそろえてある。着なれぬ絹の袴のキュー/\となるのを着て座敷へ出た。日影が縁へ半分ほど差しこんで顔がほて/\するのは風呂に入ったせいであろう。姉上が数々の子供をつれて来る。一同座敷の片側へ一列にならんで順々拝が始まる。自分も縁側へ出て新しく水を入れた手水鉢で手洗い口すすいで霊前にぬかずき、わが名を申上げて拍手を打つと花瓶の檜扇の花びらが落ちて葡萄の上にとまった。いちばん御拝の長かったは母上で、いちばん神様の御気に召したかと思われるはせいちゃんのであった。