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こうせんぜんじのことども

禅堂生活

鈴木 大拙

鈴木大拙『禅堂生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:洪川禅師のことども、釈宗演師を語る、僧堂教育論、楞迦窟老大師の一年忌に当りて、鹿山庵居。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,634 字 · 57 页

青空文庫

宗演師はその頃既に多少英語を解して居られたけれど、大したことではなかった。自分の英語も怪しいものであったけれど、それでも何かの助けになった。大会のプログラムを談じたり、講演の草稿をこしらえたり、往復の手紙を書いたりなどした。今から見ると、どんな事をやったか、随分冷汗をかくような事をやったに違いない。宗演師講演の英訳を了えて、それを当時円覚寺内の帰源院に来て居られた夏目漱石さんに見てもらったことを覚えて居る。元良先生も、その時居られたかと思う。

とに角、この大会が縁になって、米国のケーラス博士は『仏陀の福音』と云うものを書いた。これが不思議にも欧米によく売れた。ケーラスは随分沢山色々の書物を書いたが、今でも売れる本は『仏陀の福音』だけである。彼の名はこれで不朽になるであろう。自分はこの書を和訳した。それから、大会のプログラムによりて、自分は又『新宗教論』と云う一著述をやった。

余宗は知らぬが、こんな大会に臨済宗の管長で師家であったものが単身出かけるなど云うことは、破天荒の事であった。それで宗演師の渡米に反対するものも、可なりあったのは事実だ。併し師は敢然として外遊することに決心して、著著その準備を進めた。