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こうせんぜんじのことども

禅堂生活

鈴木 大拙

鈴木大拙『禅堂生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:洪川禅師のことども、釈宗演師を語る、僧堂教育論、楞迦窟老大師の一年忌に当りて、鹿山庵居。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,634 字 · 57 页

青空文庫

宗演師の一行は、シカゴ市附近の富豪で、又思想界の趨向に興味を持って居たヘグラー翁に招かれ、その家にしばらく滞在して、宗教上の問答をやった。固より師などは余り語学がいけないので、相手役は平井氏が主として勤めたが、言葉の上よりも、人格の上で一段の威圧を感ぜしめたのは、宗演師であったらしい。それは自分が渡米してからも、何時までもその人々の口に上ったからである。これに言葉が自由に出来たら、中々面白き事もあったろうと思う。とに角これが機会となって、ケーラス氏をして『仏陀の福音』を書かしめたことは、大なる収穫であった。

宗演師は人を包容するだけの器量を備えて居られた、即ち人をして出来るだけその力を延ばさしめられた。自分等でも、喜んでその能を尽さんとの決心をしたものである。親切でよく人の世話をせられたけれど、干渉がましいことは少しもしなかった。他を信じすぎられたかと思われさえもした。自分の力ではどうかと危ぶむことでも、平気で、「やれ」と命ぜられた、そう云われると、何だか今まで無い自信までついて来ることもあった。

こんな風にして弟子を育てられたものと見える。併し自分等は俗人でもあった故か、そんなに叱られたこともなかったが、植村などは随分ひどくやられたと思われた。