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わたしがちょうさくりんをころした

私が張作霖を殺した

河本 大作

「文藝春秋」文藝春秋、1954(昭和29)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,564 字 · 18 页

青空文庫

俺がやろう。それより外はない。君は北支へ行ったら、北京に直行して、張作霖の行動をつぶさに偵察し、何月何日、汽車に乗って関外へ逃れるか、それだけを的確に探知して、この俺に知らせてくれ』と言った。北京には建川美次少将が大使館付武官としておった。

竹下参謀からやがて、暗号電報が達した。張作霖がいよいよ関外へ逃れて、奉天へ帰るというのであった。その乗車の予定を知らせて来たのである。そこで、さらに、山海関、錦州、新民府と、京奉線の要所に出した偵察者にも、その正確な通過地点を監視せしめて、的確に通過したか否かを、速報せしめる手筈をとった。

さて奉天では、どこの地点が好いか、種々研究した結果、巨流河にかかった鉄橋こそは絶好の地点であると決した。

そこで、某工兵中隊長をして、詳細にその付近の状況を偵察せしめると、奉天軍の警備はすこぶる厳重である。少なくとも、一週間くらいはそこに待ち構えていなければならない。厳重な奉天軍の警備の眼を逃れて、そんなことは到底不可能である。常に替え玉を使ったり、影武者を使うといわれている本尊を捉えるには、ただ一回だけのチャンスでは取り逃す憂いがある。