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わたしのしんじょう
私の信条
宮本 百合子
「世界」1950(昭和25)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,393 字 · 13 页
でも「アジア流」でもなくなっていた。「日本にしか見られない精神と行動との麻痺の形」となっていたのだった。中国の知識人をふくむ全住民は、日本軍の侵略に抵抗して各地ではげしくたたかっていて、その「抗日救国」のビラやスローガンを通じて、中国のおびただしい文盲者さえ文字を知りはじめつつあった。
このごろ、わたしはまたしばしば、かつて心に刻まれたフランス女学生の手記を思いおこす。そして、そこに示されていた彼女のつつましく堅固な信念を。――戦争は根絶されるべきものであり、世界は平和をもたなければならない。平和のとき、このことが云われなければならないとともに、よしんば戦争の破壊がおこってもそこを貫いて、なお戦争の根絶されるべきものであることは主張されなければならず、そのための人類の努力は継続されなければならないものだ、という事実について。
こんにちの特徴は、そういう考えかたをしているのが決してフランスの女学生ばかりでなく、ましてやわたし一人のことではないという事実である。過去五年の間、日本の新しいヒューマニティーの成長のために何かの希望と善意を示して来たすべての人々、なかでも文学者は、現代の世紀の良心の前にすでに正直な自身というものを露出させて来たのだから、たとえ六月二十五日以後、どこにどのような事態がひきおこされよ