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しほんたいへいき

私本太平記(三)

吉川 英治

吉川英治『私本太平記(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私本太平記、私本太平記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 222,108 字 · 446 页

青空文庫

ここ連日、増加しておりますので」

と、安間了現は、よろいの袖から、小綴のふところ覚えを取り出して、口のうちで読んだ。

五月十一日 着到

和泉党 百四十六人

金剛寺僧   九人

散所衆  四十五人

十三日深夜

備前国ヨリ帰参ノ衆

島々ノ海上衆

合セテ二百二十人

十四日

吉野郷士、高野僧

三十八人

「了現、もうよい」

「は」

「ざっとの数でよろしいのだ」

「ご本陣の数、ご舎弟の兵など、すべてを合せ、はや二千に近づいておりまする」

「充分だ」

正成は足を早めた。そして四天王寺からすぐの夕日ノ岡へその姿はのぼっていた。

そこの勝曼院愛染堂が、彼の本陣とする所かとみえる。といって、ここにもたくさんな将士は見えなかった。ほとんどは、低地一帯の聚落のうちに隠されているのらしい。

正季もまた、兵は遠くにおき残して、彼一人、やがて安間了現にみちびかれて、愛染堂の兄の床几の前へ来ていた。

こう会うことも、兄弟ながら、たまたまらしく、会うと、話は尽きない様子だった。

まず、正季からは。

千早の築塁の捗りが報告された。また、久子や多聞丸を伊賀から引き取って来たことなども耳に入れて、