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かがくがへそをまげたはなし
科学が臍を曲げた話
海野 十三
「新青年」1934(昭和9)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,453 字 · 9 页
そんな馬鹿な話はないと、学者はてんで受けつけません。避雷針を立てて、落雷が殖えるなんて、およそ有り得べからざることです。
ところが段々研究して行ってみると、そういう有り得べからざることが有り得るかも知れないということになりました。早く云えば避雷針は雷を殖やすことあるべしということです。その解釈を申しますと、避雷針は雷を引き寄せるのですが、避雷針の高さの三倍までの距離以内のものは、避雷針へ吸い取ることが出来る。しかしそれ以上のものまで効かない。だから四五倍の距離の空中まで呼び寄せられ、その辺でマゴマゴしている雷は、已むを得ず人家や森を伝わって下に落ちねばならぬことになる――というのです。