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かがくひはんのかだい
科学批判の課題
三木 清
「新興科学の旗のもとに」新興科学社、1928(昭和3)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,229 字 · 40 页
したがって、これらの抽象を試みることによって、分析をなすもののごとくに想像し、客観から遠ざかれば遠ざかるほどそれを洞見すべき点に近づくもののごとくに想像するところの、かの形而上学者たち、これらの形而上学者たちはまた、この地上の事物は刺※(「糸+肅」、1-90-22)であって、論理的範疇こそその地布を形づくるものである、といい得るわけである*。」現実の社会の分析はいかにして、それなくしては学問が一般に成立し能わぬところの抽象と結びつき得るであろうか。最も具体的なる存在への接近の要求はいかにして、学問的抽象の要求と合致し得るであろうか。この根本的なる問題の解決の鍵は、他の箇所において私のすでに掲げておいたところの、歴史において存在は存在を抽象することによって理論を抽象する、というひとつの原理的なる命題ではないかと思われる**。例えば、かの「商品」は社会科学にとって一個の最も抽象的な範疇である。しかるにそれが単に抽象的なものに過ぎぬというがごときものでないのは、近代社会の機構の発展が商品という一個の抽象体を現実において具体的に抽象し出すまでに到ったからである。