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かがくほうほうろん
科学方法論
戸坂 潤
「科学方法論」岩波書店、1929(昭和4)年6月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,035 字 · 284 页
のでなければならないからである。そして或る他の一つの意味に於ては、却って詩ほど学問を遠ざかっているものはないであろう。詩は想像に基くと向に云った。処が学問は之に反して、今の場合の意味に於ては想像に基くのではなくして、正に理性に基くのでなければならないと考えられる***。そして理性は想像とは正反対な概念であるであろう。事実人々は、学問と詩との乖離を嘆き、又学問と詩との分離を誇る。さてこの両つのものの区別の原理は何処にあるのか。人々は知識(認識)概念をかりてこの区別の標準を求めるかも知れない。併し吾々は学問性の概念の有無を以て之に答えることが出来る筈である。その分析を吾々は前にすでに行なっておいた。
* Regulae ad directionem ingenii 参照。
** Schelling, System des transzendentalen Idealismus.
*** ベーコンは理性と想像と記憶とを以て夫々哲学(学問)と詩と歴史とを区別した。但し、彼によれば詩は学問の不充分な形態に過ぎないのであるから、独立したものとして詩が学問に対立しているのではない。