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かがくほうほうろん

科学方法論

戸坂 潤

「科学方法論」岩波書店、1929(昭和4)年6月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,035 字 · 284 页

青空文庫

自然科学が一つの形而上学となった時、科学と哲学との区別は問題とされる理由がなかった。一つの自然科学(科学)がそのまま――例えば他の特殊科学との総合を俟たずに――形而上学(哲学)となるのだからである。故に第三に、強いて今の場合二つの学問の区別を与えようとするならば、恐らくただ学問が包括する外延上の大小――それは内包上の特殊・全般の区別ではない――がその区別であるであろう。又今、場合を逆にして或る形而上学が例えば一つの自然科学となる時であるならば、前と同じ理由によって、この場合にも亦哲学と科学との区別はあり得ない。事実、シェリングやヘーゲルの自然哲学――それは特殊な哲学的思弁が実証の範囲にまで及んで之に取って代ったという意味に於て前の場合と同様に形而上学でなければならぬ――にとっては、科学はとりも直さず哲学であるべきであった*。

* シェリング、ヘーゲルにとっては哲学の外に科学が事実存在していたことを注意しなければならない。例えばルネサンスの自然哲学者達――彼等は多くそれ自身自然科学者であった――の場合とこの場合との区別を注意する必要がある。

哲学を批判として理解する時(第一の場合)、それは実証としての科学から区別され、それを実証的ならしめる時、哲学は単に総合・集成としての全般的なるものとしてのみ特殊科学から