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かがくろん
科学論
戸坂 潤
「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页
之は自然そのものの歴史的過程(含蓄ある意味での運動)を問題にするのではなくて、之とは全く独立な合理主義的思弁による根本概念の構成だったのである*。シェリングに至ってもこの点少しも変らない、シェリングに於ては、自然の分極性(Polarit※(ダイエレシス付きA小文字)t)とそれによる勢位(Potenz)の上昇とが、自然を一貫する運動であった(ここに一種の弁証法がある)。だがこの大部分が、極めてロマン派的な(フィヒテから来る)空想に基いたものに他ならなかったのは別として、ここでも亦、自然はそれ自身の歴史的過程に於て叙述されたのではない**。ヘーゲルでも亦そうであった。彼の自然哲学に於ける自然の弁証法的体系は、自然自身の運動に基いて展開される代りに、概念の自己運動の順序に従って段階づけられたに過ぎない。
* カント『自然哲学原理』(戸坂訳)を見よ。
** Schellings Werke, Bd. ※(ローマ数字1、1-13-21). ※(ローマ数字2、1-13-22).(M※(ダイエレシス付きU小文字)nchner Jubil※(ダイエレシス付きA小文字)umsausdruck)の内の諸論文。