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かがくろん

科学論

戸坂 潤

「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页

青空文庫

この関係は自然に於ける自然科学的諸範疇に於て、より具体的に現われる*。但し範疇=根本概念が実在の反映物である所以は、ここに改めて説明を必要とはしないとして。

* 弁証法の規定は、質の量への転化とその逆、対立物の統一、否定の否定、対立物の相互浸透、等々として挙げられるのを常とする。今はこの一々の規定に沿うて範疇を吟味している余裕がない。自然科学的世界の統一に於ける弁証法にとって、最も重大と思われるのは対立物の統一であるから、今は夫だけを代表的なものとして採用する。

物理学的範疇にまで具体化され特殊化せられた物質は、物である。物は普通物体と考えられる。原子論によれば之は微粒子である。処がド・ブロイやシュレーディンガーによって確立された波動力学によれば、物質は一種の波動の特殊な組み合わせである物質波動と考えられる。すでに光に就いても粒子(光素)的規定(ニュートン)と波動的規定(ホイヘンス)とが対立していたが、最近まで電磁波及び一般輻射と共に、光は波動的規定を以て理解されるようになっていた。処が、一般にエネルギーが量子という一種の微粒性単位を有つことが発見されたことと連関して(プランク)、光粒子の存在も明らかとなって来た(アインシュタイン)。