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かがくろん
科学論
戸坂 潤
「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页
客観的な現実の世界そのものとこの所謂世界像との間には、だから之だけのギャップがあるのである。カント主義者プランクは、このギャップに特に気を配らざるを得ないので、世界そのものと世界像との、吾々にとっては最も根本的な関係を、説明する気にならないのである。
* M. Planck, Die Einheit des physikalischen Weltbildes (1909)――田辺元訳『物理学的世界像の統一』(岩波哲学叢書)。同じく Das Weltbild der neuen Physik (1930); Positivismus und reale Aussenwelt (1931) 等を見よ。又 Der Kausalbegriff in der Physik (1932).
だがこのことは、所謂世界像と、所謂世界観との区別を云い表わしてもいる、ということは興味のあることだ。プランクのやや反唯物論的な認識論乃至科学論によれば、諸科学の、客観的根拠のある統一組織に就いての、積極的なプランに到着することは恐らく至難だろう。彼の所謂世界像は決して、だから世界観にまで、そうした哲学的統一の立場にまで、そのままでは高揚することが出来ないだろう*。