轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いねのいちにち
稲の一日
中谷 宇吉郎
「世界」1946(昭和21)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,013 字 · 20 页
そういう装置が出来たら、その箱の中で稲の栽培を始める。水温は最適と思われる温度、最初は例えば三十度を中心にして、上下十度くらいの幅で変化させることにする。まず一日を十二時間に縮める実験をしようと思えば、六時間だけ水温を三十五度に保ち、その間は電燈の照射を与え、次の六時間は電燈を消して、真暗にして、水温を二十五度に下げる。即ち一日の日変化を真似た変化を、十二時間中に与えるのである。
問題は稲がこれでだまされるか否かである。もし十二時間で生ずるその変化を、一日だと思ってくれれば、そういう変化を百二十回与えれば、稲は四カ月経過したと思って、米を作ってくれる。ところが実際は二カ月しかかかっていないわけである。それで栽培期間が半分に縮まり、年六回の収穫が得られることになる。
この場合、稲の全生涯にわたって外界から与えられる勢力の総量のことは、まず問題にならないと考えられる。いつでも最適の条件に保たれているので、二倍くらいの勢力の吸収はわけないであろう。現に十日間かかって発芽するものを、水温を上げるだけで、一日に縮めることが出来ている。満州の北方では、小麦など初めのうちはひどく生長が悪いが、七月になると急に発育して、一寸留守をしているうちに見ちがえるほど伸びていて驚くことがあるそうである。