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そらにわくきんいろのくも
空にわく金色の雲
小川 未明
「こどものせかい」1953(昭和28)年6月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,576 字 · 13 页
その草は、秋になると、黄色な花の咲く厚い葉です。その葉を火にあぶり、やわらかにして、傷口にはります。痛みはじきとれて、四、五日もすると、うみが出てなおります。」と、ていねいに教えました。
母親と正吉は、これを聞いて、一すじの光が、急に、やみの中へさしこんできたような感じがしました。
「その草というのは。」と、母親は、すぐにも知りたかったのです。
「ちょっと、さがしてきます。」と、女こじきは、門から出ていきました。
親子は、そのうしろ姿を、とうとく思って、おがまんばかりに見おくったのです。そして、いくたびも、母親は外まで出て、女こじきがもどるのをまっていました。
あまりおそいので、その葉が見つからぬので、そのままどこへか立ちさりはしなかったかと思い、うたがい、なやんだりしたが、そのうち女こじきは、手に青い葉をにぎって、母親の前へあらわれました。
「まあ、ありましたかね。」と、とびつくようにして、母親はむかえたのです。女こじきがつくってくれた薬をつけると、ふしぎに痛みがうすらいで、その晩、親子は、はじめて、気もちよくねむりました。
正吉は夢の中で、あのおじおじしたようすで、いたわりながら、薬をつけてくれた女こじきを思い出して、いつまでも、その姿が、目からきえずにのこっていました。