轻松读懂日语经典作品
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くうきおとこ
空気男
海野 十三
「モダン日本」1937(昭和12)年1月~8月、10月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,792 字 · 10 页
「キャーッ」という声は、どうやら妻君の声らしい。彼女は戸棚の上あたりにフワついているらしい。と思う間もなく、つづいてなにかドンと鈍い音がして窓と向き合った扉にぶつかったものがある。そいつが転げ落ち床をコロコロと動くのを見れば、それはスポンジボールであった。それで音響の原因が分った。
迎いの風
清家博士夫妻は、寝室のなかで、別々に空気のように透明となり、空気のようにフワフワ宙に浮いているところへ、そのスポンジボールが飛んできて硝子窓をわったのである。
「ちぇッ。また向いのイタズラ小僧がホームランを出しやがったな。硝子に穴があいちゃ、うっかりするとそっちへ吸いよせられるぞ」
博士はそれを考えゾッとした。
すると廊下をドンドンと歩いてくる足音が聞えてきた。お手伝いさんのメアリーだ。
彼女の足音は、部屋の前でパタリと停った。ガチャガチャと鍵を入れる音がする。やがて入口の扉がスーッと明いた。そしてメアリーの怪訝な顔が現れた。
とたんにサッと廊下から吹き込む一陣の風! 呀ッと思う間もなく、博士の身体は名犬の輪ぬけのように、硝子窓の破れ穴からスーッと外に抜けいでてしまった。