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くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
「朝日」1932(昭和7)年5月~9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 页
これから敵艦隊は、南西へ下りて来るぞ。決戦の日の位置は北緯四十度東経百五十度附近と決った」
「青森県の東方一千キロ足らずの海上ということになるね」紙洗大尉は、探偵小説を伏せて、いつの間にか、その代りに、海図を拡げ、その上にキャラメルの艦隊を動かしていた。
「俺は大したことは望まんが」千手大尉は、ワザと神妙な顔をして云った。「大航空母艦レキシントン、アルカンター、シルバニアの飛行甲板を、蜂の巣のように、孔をあけてやりたい」
「ウフ、それが大したことでなくて、何が大したことなんだ、あッはッはッ」
「うわッはッはッ」
聞いていた二人の士官が、腹を抱えて笑い出した。
「何しろ相手は、輪形陣だ、その中心の、そのまた中心にいる航空母艦だ。鳥渡、手軽にはゆくまいな」
「輪形陣が、破れまいと、確信しているところが、こっちの附け目さ。ナニ構うことはないから、平気でドンドン、飛行機を進めて行くさ、輪形陣の中に、こっちが入って行けば自信を裏切られて吃驚する。そこへ、着弾百パーセントという特選爆弾を一発、軽巡奴に御馳走して、マスト飛び、大砲折れサ、ヤンキーが血を見て、いよいよ腰をぬかしている隙に、長駆、大航空母艦の上に、五百キロ爆弾のウンコを落とす」