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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页
「うん、命中だ。敵機は墜落するぞう!」
「バ、バンザーイ」
敵機は、すっかり炎につつまれて、舞いおちる。……
「……さあ、残るはもう一機だッ。もう一がんばりだ。はやく探しあてるんだ」
伸びくる毒の爪
それまで直江津の町は、幸いにも、夜襲機の爆撃からまぬかれていた。
旗男は、不安な面持で、高田市方面と思われる方角の空と地上との闘いをみつめていた。空中に乱舞する照空灯、その間に交って破裂する投下爆弾、メラメラと燃えあがる火の手、遠くからながめても恐ろしい焼夷弾の力!
「あれが、この町の上に降ってきたんだったら、今ごろは冷たい屍になっているかもしれない……」
町いったいは、申分のない非常管制ぶりだった。直江津の全町は、まったく闇の中に沈んでいた。旗男は、この町の防空訓練のゆきとどいていることに感心していた。
そのとき、けたたましく半鐘が鳴りだした。
「オヤッ……」
と思って、ふりかえってみると、火事だ。近くの国分寺の方角だ。
「オヤオヤ、変だぞ」
火事は一箇所と思いのほか、町の南にあたる安国寺の方角にも起っている。そこへもう一つ、東の方に現れた――黒井の窒素会社の方角だ。