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くうしゅうけいほう

空襲警報

海野 十三

「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页

青空文庫

少年時代の頼朝の胆力、阿新丸の冒険力、五郎十郎の忍耐力など日本少年は決して弱虫ではない。ところが、この頃では子供だ、かわいそうだと、ただ訳もなくかわいそうがるから、子供たちは昔の少年勇士のような、勇ましい働きを見せましょうと思っても、見せる時がないのだ。今も昔もかわりはない。日本少年の胆力は、今もタンクのように大きい!」

「タンクのように?」

分団長は、鍛冶屋の大将の大袈裟ないい方におどろいて顔を見た。

「そうだ。タンクだ。だからこの際、少年たちに重大な任務を与えるのがいいのだ。きっと彼等は、頼朝や阿新丸や五郎十郎などのように、困難を乗りきって手柄をたてるよ。心配はいらないぞ、分団長!」

神崎分団長は、鉄造の言葉にすっかり感動してしまって、強い握手をもとめた。

「ああ、よく教えてくれた。やはり日露戦役に金鵄勲章をもらってきただけあって、鍛冶屋上等兵はえらいッ!」

「オイオイ、上等兵なんかじゃないぞ、軍曹だぜ!」

「ああ、そうかい。軍曹かい。これは失敬。もっとも、のらくろ二等兵なんかもこのごろ、少尉に任官したそうだからね。ましてや君なんか人間で……」

「こらッ!」