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くうかんがいねんのぶんせき

空間概念の分析

戸坂 潤

「思想 第八〇号、第八二号」

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,744 字 · 107 页

青空文庫

空間を表象として、知覚として又直観として理解することは少しも不都合ではない。ただ併しそれは決して空間の正当なる概念ではない。何となればそれ等のものは空間の性格・優越を理解せしめる代りに空間の任意の一つの特徴に於ける還元性――吾々の意味に於ける――を云い表わすに過ぎないから。

* 例えばエールリヒ、前掲書 S. 103 参照。

** 「天国に於ては一切の物は吾々の世界に於けると全く同じに空間に位置を占める。併し天使等は場処とか空間とかの観念を持たない。……霊界の場処の変化は状態の変化に外ならぬ。何となれば茲では場処の変化は凡ての心の状態の変化によって作用されるのであるから。……かくして接近は心の状態の類似に、遠隔はその相異に外ならないことは明らかである」云々(Swedenborg, Heaven and Hell, §191-3.)。

*** 吾々の概念がそうあったように、もし意識が又は現象が無性格であるならば、問題は全く別になるであろう。

空間の性格は意識ではないから、意識の性格に於て現象を理解する現象学的還元によって、空間は本来の問題として提出される機会を失って了う外はない。