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くうかんがいねんのぶんせき
空間概念の分析
戸坂 潤
「思想 第八〇号、第八二号」
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,744 字 · 107 页
無限も亦数学的概念として成立し、そして数学的連続概念と結び付いている。吾々はかかる概念から独立に、そして特に延長の無限として之を理解することが必要である筈であった。而も同じく延長の無限又は有限であっても吾々の求めるものはかの数学的空間の夫、又は物理学の所謂宇宙の持つ夫であることは出来ない。それ故吾々の常識的無限概念は――リーマンの言葉を借りるならば、――却って「無限」ではなくして「無際限」でなければならないのである。そこでアリストテレスは、無限に就いて、そして夫と連続との関係に就いて、語っている。「無限はヒューレーとしての原因であり、そして無限の本性は欠如であり又その基体それ自身は知覚し得る連続である、ということは明らかである**」と。この言葉は恰も今の吾々の場合にとって非常に適切であるであろう。即ち無限とは延長的(空間的)原因であり――延長としてのプラトンのヒューレーを茲に憶い起こすべきである――、それは際限なきことであり、そしてかかる無限の基体となるものが連続であるのである。それ故延長は連続を有ち、この連続の上に於て延長の無限が成り立つのである。