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くうかんがいねんのぶんせき

空間概念の分析

戸坂 潤

「思想 第八〇号、第八二号」

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,744 字 · 107 页

青空文庫

或る人は之によって物体に対する精神という実体を意味し、又或る人は之によって認識能力としての主観を意味する。或る時は一つの社会現象を又或る時は自覚をすら意味することが出来る。併し吾々にとって今問題となるのはこの何れでもなくして正に現象としての意識である。現象性としての「純粋意識」、之が「純粋現象学」に於ける意識に外ならない、――以下フッセルルの現象学を標準として吾々の分析を行なうことが有利である。併し意識が現象であるということは何を意味するか。凡ゆるものは現象に還元されることが出来る、何となればそのように一切のものを還元し得るものこそ現象に外ならないのであるから。処が意識のみは当然かかる還元を許さないものでなければならないような特殊の特長をそれ自身の内に持っているのである*。意識が現象と考えられる所以が之である。処で問題はこの還元に横たわっている。還元はフッセルルによれば自然的世界の、自然的テーゼの、自然的立場の、「除外」を意味する。このような世界・テーゼ・立場を「働くことの出来ぬようにする」ことがこの還元である。それ故吾々の言葉を以て之を云い換えるならば、自然的(之が何を意味するかは後にして)という性格を有っていた処の世界・テーゼ・立場はなる程消滅しはしないが――それは「括弧に入れ」