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くうかんがいねんのぶんせき
空間概念の分析
戸坂 潤
「思想 第八〇号、第八二号」
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,744 字 · 107 页
この性格が存在の性格を優越すること、それが現象学的還元に外ならない。現象学的還元を施さない時にのみ――それが自然的立場である――、存在の性格は保たれる。存在概念は一つのドクサ(これが常識的概念にどれ程近いかを注意せよ)である。
* フッセルル同上、S. 114 参照。
存在は現象学に於て除外される、存在は存在の性格を失って意識の性格を有つ存在となる、そしてその限りに於てのみ存在は現象学にとって問題となることが出来る。従って又実在は実在する限りに於てではなくして実在という現象として始めて問題となる機会を与えられる。現象学に於ては存在(従って又実在)の性格――存在ではなくして存在の性格――は意識の性格によって優越される(故に茲に於ては存在の性格は始めから問題となる機会を与えられていない)。今まで明らかにしたことはただこの一つの事柄であった。さて空間はかかる存在の性格にぞくす。空間は Tatsache でもなく又 Wirklichkeit それ自身でもない、そうではなくして Dasein が正にそれの性格でなければならない。向に注意したように存在が実在それ自身であるのではない、併し存在は実在の根本的な契機である、そしてその意味に於て存在は又実在である。