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はんちゅうとしてのくうかんについて
範疇としての空間に就いて
戸坂 潤
――之は一つの習作である――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,453 字 · 89 页
この矛盾はどう解かれるべきであるのか。範疇が論理的であると云う場合には二つの異った理由があると思う。第一は範疇がその Genesis をばロゴスに有つと考えるからである。処が私はそうでない場合にまで範疇を拡張した。であるから茲にあるものは矛盾ではなくして区別であるにすぎない。第二に範疇がロゴスと共に始まると考えるからである。そうすれば無論吾々は之を承認しなければならないであろう。併しながら最初に触れたように、ロゴスと共に始まることとそれから生れることとは全く別である。前者は、あるロゴス以外のものから産れながら而もその産れる場合にロゴスを縁としなければならないということにすぎない。今仮に範疇が事実から生れるとする、即ち範疇とは事実の或る根本的な規定であると仮定する(之は後に明らかとなる)、更に正しく云うならば範疇そのもの――範疇という概念名又は言葉ではない――は事実にぞくすものとする、その時でも吾々はこの範疇をロゴスとして口にすることが出来るのは明らかである。例えば此処に在る物に就いて「此処」として語ることが出来る。そしてかく、範疇そのものを言葉として口にする時、それ以前にではなく、始めて、この範疇そのものに範疇という名が付くのである。