轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぜつえんたい

絶縁体

豊島 与志雄

「世界」1952(昭和27)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,752 字 · 38 页

青空文庫

もう昔のことですが、奥さんが亡くなられた後、わたくしは何度も再婚をお勧めしましたが、あの時も、構わないでくれの一点張り……。こんどもまたそうです。年とったあなたと小さなお子さんと、二人きりで、これからどうして暮してゆくおつもりですか。」

「それは、わたしの手一つでやれます。」

「ふだんはそれでお宜しいでしょうが、あなたが病気で寝込みでもなすったら、どうなさいますか。こんどだって、弘子さんの遺骨を信州の田舎へ運ぶについて、誰か留守番が必要だったでしょう。」

「いや、それは、小包郵便で送りました。」

「え、遺骨を小包郵便で……。」

それには聞いていて私も驚いた。弘子さんの遺骨が信州の田舎にいってることを、私はその席で初めて知ったのだが、その方法が小包郵便に依るとは、意想外だった。いったい、そんなことが許されるものだろうか。土居さんも顔色を変えた。

「あなたというひとは、まるでめちゃですね。遺骨をどこかに打ち捨てるのと同じじゃありませんか。無事に先方へ届きましたか。」

「届きましたとも。鄭重な返事が来ましたよ。御疑念があるなら、証拠をお見せしましょう。」

市木さんは立ち上って、用箪笥の抽出から一通の手紙を取り出し、土居さんに見せた。