轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぶんがくずきのかていから
羅生門・鼻・芋粥
作家回忆童年家庭和文学启蒙,从看戏到读小说,一步步走向创作之路。看似平凡的开端,藏着怎样的根基?
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,240 字 · 69 页
景品はほうきと目笊とせっけんで一組、たわしと何とか笊と杓子で一組、下駄に箸が一膳で一組という割合で、いちばん割の悪いのは、能代塗の臭い箸が一膳で一組である。こいつだけは、僕なら、いくら籤に当っても、ご免をこうむろうと思う。
砂岡君と国富君とが、読み役で、籤を受取っては、いちいち大きな声で読み上げる。中には一家族五人ことごとく、下駄に当った人があった。一家族十人ばかり、ことごとく能代塗の臭い箸に当ったら、こっけいだろうと思ってたが、不幸にして、そういう人はなかったように記憶する。
一回、福引を済ましたあとでも、景品はだいぶん残った。そこで、残った景品のすべてに、空籤を加えて、ふたたび福引を行った。そうしてそれをおわったのはちょうど正午であった。避難民諸君は、もうそろそろ帰りはじめる。中にはていねいにお礼を言いに来る人さえあった。
多大の満足と多少の疲労とを持って、僕たちが何日かを忙しい中に暮らした事務室を去った時、窓から首を出して見たら、泥まみれの砂利の上には、素枯れかかった檜や、たけの低い白楊が、あざやかな短い影を落して、真昼の日が赤々とした鼠色の校舎の羽目には、亜鉛板やほうきがよせかけてあるのが見えた。